夫婦で世界放浪中のTAKAYAです。
オーストラリアの東海岸から約3500km走り(日本で言うと北海道から沖縄以上の距離‼︎)、ついにオーストラリアの真ん中にあるウルル(エアーズロック)に到着した僕たち。
オーストラリアといえばウルルを思い浮かべるくらい、有名な観光地ですよね。
そこであんな目に遭うとは・・・。
これからウルルに行かれる方への注意喚起も含めて、話していこうと思います。
ちょっと長くなりますが、読んでみてください!
目次
ウルル到着!観光〜事件発生までの経緯
長時間の運転をし、やっとの思いでウルルの国立公園に到着した僕たち。
ウルルの外周を歩くウォーキングコースがあったので、歩くことにしました。
約3時間半くらいのコースです。
駐車場に14時頃に到着。
そこから車を停めて歩きます。
ウルルは本当にハエが多いので、ハエと戦いながらもウルルの外周を歩き、駐車場まではあと少しのところまで戻ってきました。
ちょうど夕日の時間なので、「このあとはウルルの夕日を見に行こうか」なんて話しながら歩いていました。
もう車が見えるところまで来た辺りで、数人のアボリジニ(オーストラリアの先住民族)の子どもたちとすれ違いました。
小さい子は5歳くらい〜大きな子で13歳くらいです。
そのうちの何人かは「ハロー」と挨拶してきて、フレンドリーだな〜と思いながらすれ違おうとしたその時。
「え?!あれ!」妻が気付きました。
その子どもたちが、僕たちの所有物だと思われる物を持っているのです!
「ちょっと車見てくる!」妻が車の方へと走りました。
「うわ、やられたか」と思いながら僕は子どもたちを追いかけます。
もう既にちょっと先まで逃げている子どもたち。
車に着いた妻を遠くから見ると、「やられてる!」という感じの合図。
妻もこちらへと走ってきます。
子どもたちはウォーキングコースの柵の内側(一般人は立ち入り禁止)へと入って行きました。
僕も追いかけて茂みの中へと入っていきます。
転んだり、泥でぐちゃぐちゃになりながら。
途中、追いかけてくるのを止めさせようと思ったのか、盗んだものが少しずつ置かれていました。
それらを拾いながら、子どもたちを追いかけます。
すると、一番遅かった足を怪我してる女の子のところまで辿り着きました。
その女の子は号泣しながら、「Not Me!」と言います。
他の子どもたちはもう少し先にいたので、僕は「彼らのところまで連れて行ってくれ」と言いながら、その女の子を捕まえます。
そして二人で歩いていると、先から数人の子どもたちが泣き喚く声が聞こえてきます。
そちらを見ると、妻の姿。
妻も一人、小さい男の子を捕まえていました。
妻と合流し、警察に電話しようとネットで調べていると、遠くにいる子どもたちが石を投げてきました。
幸い、当たらずに怪我はありませんでしたが。
そうこうしていると、二人の白人女性が通り掛かりました。
僕はすぐさま近寄り、「あの子どもたちに車上荒らしをされたんです!警察を呼んでもらえませんか?」と訴えます。
すると彼女は僕たちの話を聞きながらも、号泣している子どもを慰めます。
女性の話を聞くと、彼女はここのレンジャー(公園の管理スタッフ)だと言います。
子どもたちの家族も知っていると。
そして警察に電話してもらいました。
しかし、今日はもう警察は来てくれないようです。
何が起きたかを伝えてもらい、明日また警察から電話してもらうことになりました。
そしてレンジャーの女性の連絡先や明日の勤務時間、勤務場所を聞き、今日はもう解散ということになりました。
既に子どもたちは、ウルルの麓へと消え去っています。
悲しみ、怒り、何が盗まれたのかわからない不安、明日警察は何をしてくれるのかという不安、疲労、絶望感すらも感じながら車へと戻りました。
そこで僕は初めて、車の状況を目の当たりにします。
右後部座席の窓が、丸々割られていました。
ガラスが車内に散乱してるし、内部は荒らされてるし、もうめちゃくちゃな状態。
とりあえずガラスを掃除して、国立公園を出ます。
今回の旅始まって以来、間違いなく一番大きなトラブル。
(逆に言うと、今まで大きなトラブルは少なかったと言うことでもありますが。)
憔悴しながらも何が盗まれたのかを把握するために、荷物チェック。
盗まれた物は「ipod classic(もう生産終了してるから、レアなやつ!)」「折り畳み傘」「軍手」「Nuttinoというチョコソース」「トラベルシーツ」「現金5ドル」でした。
この中で、追いかける途中に戻ってきたのは「Nuttino」と「トラベルシーツ」。
幸い貴重品はほとんど持ち歩いていたので、被害が少なかったです。
痛いのは「割られた窓ガラス」と「ipod classic」。
特に、車中泊で生活している僕たちにとって、窓ガラスなしというのはけっこうきつい。
とりあえず今日は、窓なしの車で寝るということです。
大量のハエや風が入りまくり。
そして窓がないから、二人同時に車を離れることができない。
これはけっこう大変でしたね。
その日は翌日やることをまとめ、色々な負の感情に包まれながら眠りにつきました。
対処に追われる翌日。やるべきこと
翌朝。
これからやることを考えると足取りが重かったですが、やるべきことをやっていきます。
- 近くの車整備屋に窓ガラスがないか確認しに行く
- 警察とのやりとり
- 保険会社への連絡
以上のことを、できるだけ早く済ませなければいけません。
窓ガラスを探しに車整備店へ
まずは、近くの車整備店へ行きます。
とは言っても、ウルル周辺にある町はとても小さなユララという町。
窓ガラスがある可能性は低いでしょう。
ですがとりあえず行ってみます。
整備屋に着き、まずは「昨日アボリジニの子どもに窓を割られたんだよ」と言いました。
話を優しく聞いてくれるおじさん。
ですが、やはりここには窓ガラスはないようです。
ウルル周辺では、唯一まともな大きさの街「アリススプリングス」の窓ガラス屋を教えてくれました。
(周辺と言ってもウルルからアリススプリングスまでは約450km離れています)
そして、段ボールで窓の穴を塞いでくれました。無料で!
おじさんには感謝です。
これで大量のハエを防ぐことができるから、かなり助かります。
↓後日、アリススプリングスで窓ガラスを修理した時の話も書いてあります
警察署へ。犯人はどうなるのか?!
次に、警察署へ行きました。
警察から電話が来たのですが、電話で英語のやり取りをするのは難しかったので、直接行くことにした訳です。
警察署へ行くと、まるで役場のような感じで書類を書かされます。
そして書類を書き終えると、ポリスレポート(盗難届)を渡され、終了。
「え?!終わり??犯人捕まえないの?!」
警察は「現行犯じゃないし、証拠もないから捕まえることはできません。」とあっさり。
犯人はわかっている。
昨日は現行犯で捕まえていたのに、警察が来なかったからそのまま逃げてしまった。
「やったもん勝ちの世界なのか・・・」
本当に悔しかったです。
保険会社への連絡
持っているリクルートカードには、無料で海外旅行保険がついています。
「携行品損害」も対象になるので、保険会社へと電話。
すると、「盗まれた物」については保証できる可能性があるが、「現金」と「窓ガラス代」は対象外になるとのことでした。
ということで、悔しいですが窓ガラス代は自費です。
↓実際にリクルートカードで保険金請求をした体験談
↓以下の記事の方法で、海外旅行保険を無料にしていました
助けを求めてレンジャーのところへ。
「こんなやられてばっかりで終わりたくない」
僕も妻もそう感じていました。
警察も何もしてくれないので、最後の希望として昨日のレンジャーの元へ行くことにしました。
レンジャーの事務所に着くと、ちょうど昨日の女性レンジャーは、ミーティングに出掛けていていませんでした。
代わりに所長的なおじさんが話を聞いてくれることに。
予め話は聞いていたようで、事態はすんなりと理解してくれました。
「警察に行ったけど、彼らは何もしてくれなかったんです」
するとおじさんは「辛い思いをさせてごめんなさい。」
ものすごく腰の低いおじさんです。
そして「どこの警察署へ行きましたか?」と聞いてきました。
「ユララですが。」そう答えると、
「ここには二つの警察署があり、管轄が違うんです。もう一つの警察署はアボリジニコミュニティ内にあるので、そちらにも話してみましょう。」
そして「犯人が捕まったら物やお金は返ってくると思います」と言い、何やら連絡等をしてくれました。
このおじさんがかなり良い人だったので、多少癒されたのですが、よくよく考えると犯人を捕まえるのは難しいだろうな〜と思いました。
だって昨日、自分たちで犯人捕まえて、それをレンジャーが目撃しているにもかかわらず何も起きなかったんですから。
しかももう一つの警察は、コミュニティ内の警察。
仲間を庇うのは目に見えています。
このまま終わるのか・・・。
という訳で、結局どうにもなりませんでした。
しかしまだ悔しさがあったので、最後に昨日の子どもたちを探してみることに。
なかなかの執念深さです(笑)
このままだと、あの子どもたちは警察からも家族からも何も言われず、悪さを繰り返すだろう。
「また被害に遭う人が出るかもしれない」という思いがありました。
車でウルルの外周を走ったり、昨日の駐車場に行ってみたりしました。
ですがそう簡単には見つかりません。
そうしている内に、この事件がなぜ起きたのかが見えてきました。
ウルルへ行かれる方、対策としてここからが重要です。
これからウルルへ行く方へ。注意喚起!
僕たちはウルルの外周ウォーキングをするのに、ここの駐車場に停めました。
「Kuniya Car Park」
この他にも駐車場はあるのですが、偶然ここに停めました。
停めたのは14時頃。
この時間はまだ他にも車がたくさんあって、人通りもありました。
しかしウォーキングが終わって駐車場に戻ってきたのは17時過ぎ。
もう薄暗くなっていて、他に車は1台しか残っていませんでした。
(ちなみにそのもう1台の車も、少し窓を割られて何か盗られてそうでした)
観光バスがよく停まるメインの駐車場に停めていれば、この時間でもまだ車はもっとあったと思います。
こちらの駐車場の方が人が多いので、比較的安心かと思います!
更に、妻があることに気付きました。
それは、ウルルの国立公園内にアボリジニの集落があるということ。
そしてその集落は、僕たちが停めていた駐車場に比較的近いということ。
「Mutitjulu」という地区があり、そこに集落があるようです。
きっと、この集落から子どもたちだけで歩いてきたのだと思われます。
僕の偏見も入ってしまっているかもしれませんが、アボリジニは差別されてきた過去があり、現在は貧しい人が多いです。
そしてアボリジニの多い街は治安が悪い傾向にあります。
特にアボリジニの多い「アリススプリングス」は、オーストラリア一治安の悪い街とも呼ばれています。
この集落は一般人立ち入り禁止で、中にいる人はアボリジニのみ。
手前まで行ってみたのですが、「許可なく入ったら罰金」とあったので、帰ってきました。
世界にはこんな場所があるのかと驚きました。
まさか、保護されている国立公園内に、こんな集落があったなんて…。
以上、ウルルに行くときに注意することをまとめると
- 出来るだけ人や車が多い、メインの駐車場を選ぶ
- 暗くなる前に車に戻ってくる
以上のことを気を付けると、トラブルに遭う可能性が低くなると思います!
また、もしこういうトラブルに巻き込まれた際は「無理をしない」という意識を持っておくことも必要だと感じました。
冷静さを失い、つい追いかけていってしまいましたが、さらなる危険に繋がることも考えられます。
今思い返すと、自分自身反省する部分もあると感じています。
この事件を体験して感じたこと。
旅が始まって今まで、今のところ一番のトラブルです。
まさか、治安の良いオーストラリアの世界的な観光地で、こんなトラブルに見舞われるとは思いませんでした。
そしてこれを機に、「アボリジニ」についてとても考えさせられました。
もちろん、「アボリジニだから悪い人」という訳ではなく、「車上荒らしの犯人がただアボリジニだった」ということはわかっています。
差別や偏見は持ちたくないと思っています。
それでも現在、オーストラリアの社会問題の一つとして「アボリジニの犯罪」という問題があることも事実です。
そして海外では、「自分の身は自分で守る」という意識を強く持っていなければいけないということです。
日本の警察の検挙率はかなり高いです。
今まで「悪いことをしたら、基本的には警察に捕まる」という認識でいましたが、「やったもん勝ちの世界」もたくさんあるということ。
治安の良いオーストラリアでもこんなことが起きているので、これからは危機管理をもっと意識していかなければいけないと感じました。
これからウルルに行く方は是非、この記事で書いたことを注意しながらも楽しんでください!
少し長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。
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